2010/12/27

ガンディーさんならどうしたのかな。


夜道を歩いていると、突然背後からバイクに乗った三人組の
男にラリアットを喰らわされた。後頭部直撃。そしてこちらを
激しく睨みつけたまま彼らは走り去り、闇へと消えていった。

いやいや、そっちが睨みつけてくるタイミングじゃないだろ。
被害者はこっちなんですけで・・・( ゚Д゚)ハァ? 

軽く脳振とうを起こし朦朧とする中で、僕はそう思った。

一瞬、はげしく憎たらしかったが、どうすることもできない。
何より彼らを憎んでも何も生まれない。

尊敬するガンディーさんならどう考えるだろうか。

僕が氏を尊敬するようになったのは、彼の自叙伝の中で
以下の下りを読んで感銘を受けてからのこと。
(記憶が曖昧なので正確ではないかもしれません)

ロンドン大学を出て弁護士となったガンディー。若かりし彼が
南アフリカに渡った当時、そこでは黒人だけでなく有色人種も
差別の対象になっていた。ある日正規のチケットを持ち、列車の
一等車両に乗っていた彼を、新米の警官が下等車両に移そうとした。
しかし彼はその要求を拒み、叩き降ろされる。


後日、そのことを聞きつけた警察署長は差別撤廃運動ですでに
影響力を持ちつつあったガンディーのことを知っていた。そして、
新米警官を処罰することを彼に申し出た。するとガンディーは答えた。


彼一人を処罰して何になるのか、彼は正しいと思うことをしたまで。
この国の社会自体が変わらねば、何一つ問題は解決しない。

この流れ...叩き降ろされるという辱めを受けても、それをした
加害者自身を憎むのではなく、彼をそうさせた社会を変えようとする。
なんという深い見識、それ以上になんて強い魂を持った人間なんだ。
僕はそう思い感動した。

きっとそんなガンディー爺さんなら、ラリアットの男たちを
憎まず、そのような行動に駆り立てたインドの社会のあり方を
問題として見つめるんだと思う。

たぶん日本人なら学校やメディアなどで、外国人のことを少しは
知っている。ただこの国で、学校も行けなかった人、読み書きが
できず新聞を読めない人、テレビを買うお金がない人なんかは
外国人のことなんてほぼも知らないんじゃないか。

そんな異質なものが目の前に急に現れたら、そりゃビビるだろう。

きっと彼らが夜中に僕を襲ったものも、彼らを無知によって
狭い世界観に閉じ込めた社会的原因があるのだと思う。

木に触れ、まず森を見る。

今回は幸いにもインドというガンディーの生まれ故郷で
氏の思想を、自分の経験に当てはめて考える希有な機会を得た。

ラリアットの男たちとの出会いに感謝。以上

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