2010/12/16

井の頭公園~その2~

前回の続き

スラムの薄暗い小さな小屋。素敵な話しはここまで。
インド産ミッキーマウス?
子どもたちをそそくさと帰らせた彼ら。そして彼らは表情を変え、
迫ってきた。

「僕たちの活動に共感しただろ。で、君は何ルピーを
置いてってくれるの。5000ルピーぐらいかな?」

不意打ち。急に高額な資金援助を求められるなんて
思ってもみなかった。動揺するも丁重にお断り。

「お金がいやなら、何か買っくれ。今から買いに行こう!」

すかさず違う角度からの要求。高額なものを
買わされそうな予感。丁重にお断り。

「それじゃ団体のためじゃなくていい。僕の絨毯屋で
商品を買ってくれ。日本で売れば、君はぼろ儲けだ。」

えっ・・・何が何なのかわからなくなる。ただ間違いなく自分に
絨毯はいらなかったし、日本で絨毯を売る気にもならなかった。
丁重にお断り。

「それなら僕たちに食事をご馳走するってのはどうだ?
チキンが食べたい。チキンの丸焼きだ!良いレストランを知っている。
一緒に行こう!」

チキンの丸焼...子どもみたいに駄々を捏ねだす彼ら。
ただ彼ら全員に食事を振舞う理由を微塵も感じない。
はっきりとお断り。

「チキンが嫌って、ベジタリアンか?じゃあ、僕たちはチキンを
食べるから、君は野菜を食べればばいい。そうだろ?早く行こう!
今夜はご馳走だ。」

彼らからの最後の要求だった。
青色のチョコレートケーキ。600ルピー
呆れてしまい返す言葉がなかった。

小さな小屋で繰り広げられた数人のインド人と一人の日本人との
やり取り。彼らの凄む様子は軽く恐喝だった。

目的のためには手段を選ばぬ。

力強く生きるインドの人々の様子を垣間見ることができた。
偶然の経験に感謝。

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