2010/09/14

マニラという都市で

マニラ滞在の最終日、僕は日本のとあるNGOとコンタクトを取り、
パヤタスというスラム街を訪れました

皆さんはスカベンジャーという言葉をご存でしょうか。
フィリピンではゴミを集め暮らす人々のことをスカベンジャーと
呼びます。パヤタスという場所には、マニラのケソン市のごみが
長年に渡り積み重ねられ、まさしくごみ山ができあがっています。
その周りには、スカベンジャーをはじめ、貧困層の人々が暮らす
スラム街が広がっています。

光と闇
まず僕が訪れて強く印象に感じたのが、におい。生ごみの腐った
ような腐敗臭が街全体を覆い尽くしています。仮に普通の街中で、
あのにおいに遭遇したら、僕は鼻を摘まみ、すぐにその場を離れて
いたと思います。

また政府機関・海外からのNGOが手を差し伸べているにもかかわらず、
パヤタスに住む人々が増え続けているという事実も驚くものでした。
その原因が、一家庭平均5,6人もの子どもがいるということです。
多くの貧困にあえぐ家庭が多数ある中で、子どもが大勢いるという事実。
当然、学校に行けない子ども増えるし、一人一人が食べる食事の量が
減ることなどは容易に想像できます。

何故、そのようなことが起こるのか?

フィリピン人のスタッフがいうには、家族計画(ファミリープランニング)の
知識不足と、教会によるコンドームの使用なタブー化と中絶の禁止が
原因だそうです。厳格なキリスト教徒が多数を占めるフィリピン。
前回消化したフィリピンの青年はキリスト教の精神があるからこそ、
フィリピンの人々は貧しくとも明るく生活できるといっていましたが。
パヤタスでは逆の方向にその精神が作用しているとしか思えませんでした。
このような宗教に関わるような分野に外国人は手を出しづらく、
フィリピンの人々自身で決めていく問題なのだろうと僕は思ってます。

ただし、そのような問題を抱えるパヤタスで僕がはっとしたのは、
そのような街でも、ちゃんと社会が成り立っているということです。
そこには食事処、商店、洗濯屋、ビリヤード場などもちゃんと存在し、
貧しい人々のための街として、機能していました。どんな状況でも
それぞれに合った人々の営みが行うるということは、僕にとって
新鮮な発見でした。

商業地区のマカティをはじめ東京都心にも劣らないような立派な街
があり、フィリピン大学やアテネオ大学で次の世代を担う優秀な人材を
育てているフィリピンの首都マニラ。
一方でパヤタスのように世界でも有数のスラム街があるマニラ。

一体このマニラという都市が、数年後この地を再び訪れた時に
どのような姿になっているのか楽しみでなりません。

暗い一面が減り、明るい方向に進んでいることを願います。以上

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