2010/09/13

ルームメイトと『フラット化する世界』

語学学校があるバギオを離れ、日本でも有名な首都マニラに
向かいました。そこで、最初に行ったことは、3年前に一緒の寮で
同じ部屋に住んでいたフィリピンの青年と会うためです。

彼が住んでいるという待ち合わせの場所イーストウッドに着いて、
僕は驚きました。まるでそこはフィリピンの六本木ヒルズ。
高層マンションとセンスの良いショッピンモールが一緒になった
お洒落な街。こんな場所に新卒一年目の彼が住めるということが、
日本にいた当時ただエロかった彼のイメージからは想像できなかったのです。

約束の時間から20分以上経った、フィリピンタイムで彼は現れました。
日本にいた当時と変わらぬ、Tシャツ、ジーンズスタイル。
彼の行きつけのイタリアンレストランに行き、まずは思い出話に花を
咲かせました。彼の口から、当時寮に住んでいた寮生の名前や思い出は、
僕を懐かしさに浸らさせてくれました。

そして次に話題になったのが、新卒の彼が何故イーストウッドのような
洒落た街に場所に住めるのかということでした。

すると彼の勤め先が、外資系の広告会社でその場所にあり給料も
いいとのこと。そして、文芸サークルに所属していた彼はそこで
コピーライターとのして働いているそうです。ただし、彼の会社が
作っている広告はフィリピン人に向けたものではありません。
アメリカの企業が依託したアメリカ人向けの広告だそうです。
例えば、彼の最近終えた仕事はアメリカにある美容院の宣伝の制作だとか。


この話を聞く中で、僕は旅に出る前にHさんに勧められて読んだ
フリードマンの『フラット化する世界』を思い出しました。
「世界のフラット化」とは、かつては地球の物理的には丸さにより
違う方面を向いていた各社会が、インターネットや社会システムの
変化によって、まるで平面上の同じ舞台にたっているのかのように、
社会が動いていくというものです。


彼の仕事などはまさしく、『フラット化する世界』で挙げられていた
主要なキワードであるアウトソーシングの例と重なるものでした。

アメリカやイギリスなどの経済的に豊かな国の企業は、会計・広告
・コールセンターなどの事業をコストの低い国で任せることで、本当に
集中したい事業にお金を投資する。そうすることで、ビジネスを
次のステップに勧めていく。このプロセスが当たり前になってきて
いるということを肌で感じました。

また彼は『フラット化する世界』でも話題になっていた国外へ移住に
ついても語ってくれました。現在、能力がある多くのフィリピン人が
高い給料を求めて、海外に移住していとのこと。そのことは
彼ら自身の幸せはもたらすけれど、結果的にフィリピンの次の社会を
作る才能ある人材を流出することにつながる危険をともなっていると。
しかし、友人も早く海外で働きたいと言っていました。

これら二つの話題はフィリピンだけに当てまはるものではなく、
日本社会のこれからに大きく関係していることだと、僕は強く感じていました。

彼との再会は、僕に色々にいろいろなことを投げかけてくれました。感謝。

そして、最後にエロいとだけ思っていた彼がかなりのキレ者だということが
彼に再びあってみてわかりました。その誤解の原因は、当時の僕英語が
だめだめで、女性の話などの軽い話題が中心になっていたからだと思います。
今回の再会では深く話せ、ちゃんと彼の想いがわかるし、自分の想いが
伝わるようになっていたので、よかったです。以上。

フィリピンで有名な孵化直前のゆで卵”バロット”

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